商品紹介

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純米

黒とんぼ・生酛仕込み2年熟成

泉橋酒造 黒とんぼ 生酛純米酒

黒とんぼ 生酛純米酒~山田錦~

「酒造りは米作りから」の信念のもと、栽培醸造蔵・いづみ橋と地元農家が一体となり醸す生酛造りの熟成辛口純米酒です。地元で大切に育てた山田錦を自社精米(扁平精米)で65%まで磨き、手造りで丁寧に仕込みました。製造方法には特殊な麹菌や酵母菌などを使用せずにトラディショナルな方法を2011年の発売以来続けている、辛旨口で存在感のある味わいです。

 

◆ 香り ◆

メロン、オレンジのような果実の香り、オリーブのような落ち着いた香りとその中にあるライムやレモングラスのような爽やかさ。ヨーグルトやアニスのような熟成感。

 

◆ 味わい ◆

きめ細かい舌ざわり、ふくよかさ。優しく滑らかな甘みと、綺麗な酸味。

 

◆ ペアリング ◆

鮨(お醤油やたれを使う)、フォアグラのソテーや北京ダックなど、味が比較的濃いめなもの。お燗にすることでより旨みが感じられる。

 

◆ 受賞歴 ◆

  • 2024 全国燗酒コンテスト プレミアム熱燗部門 金賞
  • 2024 フランス クラマスター クラシック酛部門 ゴールド受賞
  • 2024 イギリスIWC 純米酒部門 ブロンズ受賞
  • 2023 全国燗酒コンテスト プレミアム燗酒部門 金賞
  • 2023 イギリスIWC 純米酒部門 シルバー受賞
  • 2023 フランス クラマスター クラシック酛部門 ゴールド受賞
  • 2023 香港 オリエンタルサケアワード シルバー受賞
  • 2022 ミラノサケチャレンジ 純米酒部門 ブロンズ受賞
  • 2021 SFIWC(サンフランシスコ)ゴールド受賞
  • 令和3年(2021)東京国税局 酒類鑑評会「純米燗酒の部」優等賞
  • 2018 イギリスIWC 純米酒部門 シルバー受賞

 

黒とんぼシリーズとは?

「自ら栽培した酒米」と「伝統的な生酛(きもと)造り」、そして、「2年間以上の熟成」を経てゆっくりと醸し出す「生酛純米酒」それが「黒とんぼシリーズ」です。泉橋酒造では、製造する純米酒の半分を「生酛造り」、残りの半分を「速醸酛」造りにしています。この理由は、お料理との相性やペアリングを考えた時に、赤いお肉や魚介類や醤油や味噌料理などには複雑味や味幅のある生酛系のお酒を合わせる。また、白いお肉料理や白身のお魚や塩味や出汁のお料理は速醸酛のお酒を合わせた方がより一層お酒とお料理を楽しめると考えています。

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ラベルのデザインは?

黒いとんぼのシンボルに山卸工程のイラスト(左上)にあしらったシンプルで、かつ、印象的なものにしています。

いづみ橋 黒とんぼ

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「酛(もと)」とは何でしょうか?

通常酒造りは 精米 ⇒ 洗米 ⇒ 蒸米 ⇒ 麹作り(こうじカビの培養)⇒酛(もと)造り(酒母造り、酵母の培養)⇒ モロミ(主発酵)⇒ 絞り(上槽)⇒ 生原酒!

という工程で造ります。この「酛(もと)」とは、つまり培養した酵母、酒の元であり、酒の母となるものを意味した言葉です。であれば「酵母」でいいじゃないか!と思われるかもしれませんが、そこは伝統ある酒造りですから、昔からの言葉も大切にしています。

 

「生酛(きもと)」とはなんでしょうか?

では、生酛は何か?というと次の図をご覧ください。

 

「生酛」という酵母を培養した酒母(しゅぼ)は、遡ること17世紀の江戸時代に完成しているとても伝統ある酵母の培養の方法です。なんと400年も前のことです。そして、江戸から明治に時代が変わります。明治期の日本において、「酒税(もちろん日本酒が中心)」は、なんと国税の1/3も占めていました。とても日本国民とって大切なアルコール飲料だったのです。そこで時の大蔵省は、もっと研究する必要性から、明治37年に醸造試験所を創設し、明治42年に「山廃酛(酒母)」と「速醸酛(酒母)」を開発しました。そこから、酒母の作り方、つまり、酵母の培養の仕方のレパートリーが増えたわけです。

(生酛と山廃については、後段をご覧ください)

(写真)生酛造りにおける「山卸(やまおろし)」工程。

 

山卸は、全部で2日間の作業になる手間のかかるものです。しかし、そこは醸造家たちの日本酒に対するロマンや畏敬の念がたっぷりと詰まったものです。生酛酒母の山卸作業工程は、次の2日間です。

(1日目)蒸米⇒埋け飯(いけめし)⇒半切桶へ材料の混合(埋け飯、米麹、仕込み水)⇒手酛(手で材料をほぐす、均一化する)×3回

(2日目)1番櫂(1回目に山卸)⇒午後から2番櫂(山卸)⇒寄せ(半切り桶から酒母タンクへ)

結構いろいろと作業が多いもので、この山卸関連の2日間の作業を別の方法に置き換えたものが、「山廃酛」や「速醸酛」となります。生酛は、「寄せ」のあろ凡そ30日間ほど手間をかけて、酵母を培養していきます。ちなみに、山廃酛も同じ30日ほど、速醸酛は約2週間ほどの時間がかかります。

 

【日本酒の豆知識】生酛(きもと)と山廃(やまはい)について

~ともに酒母 (酛もとも同じ意味)の造り方の一つで、昔ながらのやり方です~

酒母とは、大きな仕込み桶でお酒を仕込む前に、小さな仕込み桶でお酒を仕込みその中でアルコール発酵に必要な酵母菌(イースト)を育てたものを指します。ですから、酒母の段階では、元気な酵母菌を増やすことが第一の目的です。酒母は麹米、蒸米、水に酵母を加えて造ります。この時空気中からいろいろな微生物(ここではあえて雑菌と呼びましょう)が入ってきます。

それらの余計な雑菌の繁殖は抑えて、優良なお酒の酵母だけを増やしたい、そこで強い味方になるのが「乳酸」です。乳酸は今では液体になって市販されていますので、酵母を入れると同時に、乳酸を投入すればよいのです。これは戦後に普及しました。このやり方を①速醸酛(そくじょうもと)、といいます。

しかし、昔は乳酸は売っていなかったわけですから、どうしていたのかというと・・・

自然界に存在する乳酸菌を取り込むために米や米麹を擂り潰し、溶かして、乳酸菌が発生しやすい環境を作ってじっと待っていました。米を擂り潰す作業は「山卸(やまおろし)」、もしくは、「酛すり」とも呼ばれ、今でも大勢で行う重労働です。

酒屋唄の中には「もとすり唄」もありますが、眠気覚まして活気付くためと、時間を計るために唄っていたのでしょうね。

このように山卸作業を行うのが②生酛(きもと)造りです。この方法は、江戸時代のはじめ、つまり、17世紀の後半に出来上がった醸造方法で、とても歴史があります。

③山廃(やまはい、山卸廃止酛)造りは、米をわざわざ擂り潰さなくても蒸し米を投入する前に、先に水の中で麹の酵素を溶かして置くこと(水麹 みずこうじ と呼びます)、つまり、材料の投入順序を変えることで同じ様に出来ることが明治期後半になってから分かりました。また、山廃造りと同時に現在主流の速醸酛造りも考案されています。

キツイ作業をしなくて済む、嬉しかったでしょうね。すなわり、「山卸」を「廃止した酛」、これを略して山廃(やまはい)、というわけです。

酒母が出来上がるまで、①速醸酛が約2週間で出来るのに対して、②生酛・③山廃酛はひと月かかります。

②、③は、速醸酛で仕込んだ酒より、より自然界の味わいが活きており、味に幅があります。速醸酛造りは、透明感のある酒質に適しています。(乳酸やアミノ酸が多いので、お燗向きでも)また、火入れして寝かせたお酒はお燗するとまた格別の旨さです。

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◎酒造りの全工程は以下をご覧ください(5分)途中、生酛の山卸(2分30秒~)の動画も見れます。

  • 特定名称

    純米酒
  • 精米歩合

    65%
  • アルコール度数

    16度
  • 使用米

    神奈川県海老名市産 山田錦100%
  • おすすめ温度

    10~55
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