蔵元日記

蔵元日記

1970/11/01

泉橋 純米大吟醸~TONBO 20~紹介(酒販店様向け)

泉橋 純米大吟醸~TONBO 20~ 新登場

目次

  • 御礼のメッセージ~蔵元より~(動画)
  • とんぼマークの始まりの話
  • とんぼラベルの誕生の秘話
  • 杜氏よりメッセージ(動画)
  • 酒米栽培について(動画)
  • TONBO20の製品データ
  • NFCタグについて

 

●御礼のメッセージ~蔵元より~

 

●とんぼマークの始まりの話

とんぼマークの始まりは、米作りを始めた頃にさかのぼります

私は昔から筆書きが好きで(上手いという意味ではありません)、折につけ年賀状や手紙やお礼状などを筆で書くことが多かった。初めて勤めた会社でも新人研修カリキュラムの中に「新規開拓ツールとして筆と巻紙で手紙を書く」というものまであった。こんな感じだったので、泉橋酒造に入社してからも、筆(筆ペン)は年賀状やお礼状に使っていました。

そこで、書道といえばカッコいい「落款」が欲しかった。また、1995年当時新しい「いづみ橋」のロゴを作ったばかりでもあり、そこにも新しいロゴをひき立てる落款印が欲しかった。

 

田んぼでの出会い

当時は田んぼでの酒米の栽培を始めたばかりでしたが、田んぼでは様々な動植物、特に昆虫に出会います。その中でひときわカッコよく、人懐っこく、そして、前にしか進まないという勇ましい「赤とんぼ」を落款のデザインにしたい!と閃いたんだと思います。

また、農業において農薬をバンバン使ったらとんぼが死んでしまう、とんぼなど田んぼに生きる動植物を無闇と殺さないような農業をしなければならない、環境保全型の農業が必要だ、そんなことも考えていたように思います。

 

とんぼ印の落款がほしい!

さて、当時1995年5月に私は結婚し、家内・由紀の叔父さん(小沢研二氏)は、中国で2番目に古いといわれる「篆書体(てんしょたい)」の使い手でもあり器用でかつ多趣味。1996年からの仕込み蔵の大改装後の各製造室の看板や酒友館の看板を無償で作って頂いていた。とてもお世話になっていました。

そして当然のごとく叔父さんに依頼したのが、稲にそっと留まるとんぼをモチーフにした落款印。当時の叔父さんはまだ現役だったので忙しかったはずである。案の定、依頼した落款印がなかなか出来上がらなかったのである(当たり前です)。

そこで、今もお付き合いしている高桑美術印刷さんに「大山を背景に飛ぶとんぼのデザイン」を作って頂いた。ついに本来依頼していた落款印に対して、サブとして簡易的に、しかも先に出来上がったのが、今のとんぼマークでした。

それ以降、手紙やお酒のラベルにも使いだした落款。これが「とんぼマーク」のはじまりです。

(写真)お馴染みのとんぼマーク。いまや日本だけでなく世界でも商標を取得しています。

おそらく、最初にとんぼの落款印が入ったラベルは、2000年に初リリースの「恵 青ラベル」。以後、新商品にはこの落款印が入っている。

その後、叔父に依頼していた落款は無事出来上がりました。そして、泉橋酒造として特別な時のみ押印として使わせて頂いております。

(写真)本当はこのデザインになるはずだったとんぼの落款イメージ

これが、とんぼマークの登場です。

写真)とんぼマークのハンコとしての使い方

 

●とんぼラベルの誕生の秘話

あれは、2002年(平成14年)の年末でした。藤沢市のT酒屋のH社長さんが夜、とつぜん蔵に来られました。話を伺うと「dancyu3月号の日本酒企画の中で来週にも自分が取材される。その際に両脇に一升瓶を抱えて写真に写る予定なので、何か1本新しくキャッチ―なラベルの商品を作れないか?」と。うちの蔵をとても押してくれている酒販店さんのありがたい言葉でした。

さて、時間もない中でどうしようかという話になりました。結果として落款印として使っている「とんぼマーク」をラベルにしようということに。また私もいつかラベルにしてみたい、と考えていたところでもありました。

とんぼマークのお酒、その中身は?

ラベルデザインは決まったので、次は当然中身のお酒はどうしよう?という話にもなります。突然に降って湧いたような話だったので、もちろん何か製造計画にあるものでもなく、新商品の企画もあったわけではなく、更に、何か新規性も必要だし、はてどうしたものかと思案しました。

そして、結果として、槽口から出て来たばかりのお酒をビンに直接詰める、という「槽場(ふなば)直詰め 無濾過生原酒」という方法で製品化しようということになりました。

dancyuで「赤とんぼ」のお酒がお披露目へ

ラベルの撮影用サンプルは、高桑美術印刷さんに翌日依頼し、数日後には無事撮影に。(後日談ですが、2022年の今でもT酒屋さんはこの時の撮影に使用したお酒を保管中だとか)

さて、当時プレジデント社のdancyuでは、毎年3月号(2月初旬発売)では日本酒特集が恒例となっており、全国の酒蔵から酒販店、飲食店まで注目される企画となっていました。

2003年3月号で目出度く「T酒屋さん」は紙面で紹介され、当時の日本酒業界としては異例の昆虫ラベル「赤とんぼ」のお披露目になりました。

そして、掲載後多くの問合せと共に、T酒屋さんは自身のお店だけでこのラベルのお酒を独占することなく、2003年は凡そ300匹の生まれたままのトンボが巣立っていきました。以後、このトンボラベルは、泉橋酒造の営業上でも需要な顔のひとつとなっています。

 

●杜氏よりメッセージ(動画)

●酒米栽培について

最近の弊社の酒米栽培を動画にしてみました。英語ですが、ぜひご覧ください。

◆和訳◆

泉橋酒造は1857年創業の、神奈川県にある酒蔵です。

私たちは地元神奈川県で原料米の栽培、精米、酒造りまで自ら一貫して行う、全国でもとても珍しい酒蔵です。

日本のほとんどの蔵は買い付けてきた米で日本酒を造ります。

しかし私たちは高級なワインと同じように、地元で原料の栽培から行うことが最も良いと考えています。

 

私たちの米作りをご紹介します。

私たちの圃場は神奈川県中央部を流れる相模川沿いにあります。

最上流部の中州「大島」、「望地河原」、「座間」、「海老名北部」、「海老名南部」の5か所。あわせて46haです。

蔵人自ら圃場に入り、手作業で米作りを行っています。
米作りは自然の中で行うものです。蔵人の勘だけでなく、毎年変わる気候や環境をより深く理解するために、全国にさきがけて4つのセンサーを設置しています。

 

「水田センサー」は水位、水温。

「フィールドサーバ」は気温、湿度、雨量、風速、日照を観測して栽培環境をデータ化。

「稲生育センサー」はイネの草丈、分けつ、葉色値を観測してイネの生育状況を把握。

「定点カメラ」で離れた圃場の状況を確認できます。

クラウドに送られたデータをもとにスマート栽培歴を作成し、効率的に生育状況を把握することができます。また、より緻密な栽培管理と、醸造工程での米の溶けやすさを予測することが可能です。

また日本酒造りに使用する米は、雑味の原因となるたんぱく質が少ないことが求められます。そこで活躍するのがドローンです。特殊カメラを搭載したドローンで圃場を撮影し、葉の色を解析することでたんぱく質量を推定します。この技術により400枚近くある圃場で栽培している酒米のたんぱく質を、収穫前にすべて把握することができます。

すべては秋にとんぼが飛び交う美しい日本の原風景を守り、お客様に美味しいお酒をお届けするためです。泉場酒造はより良い技術を駆使し酒米栽培から取り組んでまいります。

日本にお越しの際は、東京から近い泉橋酒造にぜひお越しください。

酒米を栽培している田園風景を見ることができますよ!

酒造りは米作りから。

●TONBO20の製品データ

製品の成分地は以下となっています。

【原材料】米(国産)、米麹(国産米)

【使用米】神奈川県海老名市産山田錦100%

【精米歩合】20%

【日本酒度】-6

【酸度】1.5

【アミノ酸度】1.1

 

●NFCタグについて

今回SHIMENAWA(しめなわ)というSBIトレーサビリティ株式会社様の開発されたNFCタグサービスを導入いたしました。

NFCとは「Near Field Communication」の略で日本語で「近距離無線通信」と訳され、通信規格のことを指します。

言葉だけ聞くと難しく聞こえると思いますが、日常生活でモバイルSuica、モバイルPASMOやおサイフケータイなど、スマホをかざして決済を行っている方もいらっしゃるかと思います。まさにそれと同じ。NFCタグはスマホをかざすだけで、そのタグに埋め込まれた商品情報をスマホが読み込み表示するというものです。

このSIMENAWAのNFCタグには単に商品情報だけではなく、大切な商品ブランドを保護するための「真贋証明」、中身すり替えなどを防止するための「開封検知」機能が備わっております。泉橋酒造から出荷された特別な商品であるTONBO20が皆様のお手元へ安全に届くよう、NFCタグを商品に取り付ける次第となりました。

どのような技術をもって真贋証明・開封検知が行われているのか興味がある方はぜひこちらのプレスリリースもご確認ください!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000100112.html

一覧へ戻る