2023秋の定番酒「秋とんぼ3種類」のテイスティング・コメント
【 秋とんぼ 楽風舞 】(速醸、55%)
・アルコール度数=16% ・日本酒度=-3 ・酸度=2.2 ・アミノ酸度=1.6
◇外観 透明な淡いレモンイエロー、粘性あり
◇香り イチゴやチェリーを想わせる酸味を主なった果実の爽やかな香り
◇味わい 透明感のあるさらさらとした飲み口と甘み、フレッシュで爽やかな酸味と柔らかく旨味、酸味を伴う中程度の余韻。
白身の魚やカルパッチョ、フレッシュチーズやクリームソースなど
◇総評
早稲系の品種である楽風舞の速醸造りのお酒らくし、透明感、クリアな印象のお酒。ワイングラス暑い日の午後に飲みたいイメージ。楽風舞のお米は、山田錦や雄町の丸みを帯びる味わいに対して、酸味を強く感じさせる旨味が出るのが特徴、
【秋とんぼ 雄町】(生酛、65%)
・アルコール度数=16% ・日本酒度=+2 ・酸度=1.9 ・アミノ酸度=1.5
◇外観 透明な淡いレモンイエロー、粘性あり
◇香り スダチや青りんご、ミントなどの酸味を伴う香りに白い花や白桃を少し感じさせる爽やかな香り、搗き立ての餅や白玉粉などの穀物系の香り。
◇味わい 丸みのある滑らかな飲み口・口当たり、軽やかな甘みと引き締まった酸の味わいに軽快な旨味のバランスが良い。硬水の仕込み水から由来するミネラルたっぷりの含みと余韻。カツオのたたきなどの赤い魚や赤い肉に合わせたい。
◇総評
自社栽培の雄町ではあるが、永年、無農薬無施肥(米ぬかのみ使用)で栽培しているものなので、生酛造りならではの複雑でかつきれいな酒質が実現していると考えています。
【秋とんぼ 山田錦】(生酛、精米歩合80%)
・アルコール分=16% ・日本酒度=+11 ・酸度=2.3 ・アミノ酸度=1.6
◇外観 やや濃い透明な淡いレモンイエロー、粘性あり
◇香り 鉱物や石清水のようなミネラルの香りに白菜のような根菜の香り、つきたての餅や白玉粉などの穀物系
◇味わい ボリューム感もあるがサラリとした飲み口、口当たり、甘みはほとんど感じない。クリーンですっきりとしたイメージだが、しっかりとコクと厚みのある辛口の純米酒。しっかりと余韻の長い味わい。硬水の感じがよくわかる。
◇総評
精米歩合80%でかつ生酛造りで辛口に仕上げている製品。とても爽やかでかつ力強い印象です。もう少し寝かせてお燗酒でも楽しみたい。
(テイスティングコメントは、橋場友一)