「種もみ」って何?
5/1に「種もみ」の消毒をしました。
今年の5/1、5/8、5/15は、泉橋酒造ではさがみ酒米研究会の会員農家が集まって「種モミの温湯(おんとう)消毒」をします。
その5/1の写真です。何故、3週間に分けて消毒をするかというと、いろいろとお米の品種があるからです。
さて、「種籾(たねもみ)」とはお米の種のことなのですが、今回はその話を少しします。(正確な話ではないかもしれませんが、私の経験からの話です。)
通常、秋に収穫したばかりのお米は、「籾(もみ)」と云います。
「種もみ」とは絶対に言いません。(きっぱり)
この籾を乾燥させて、籾殻(もみがら)を取り去ったものが「玄米」です。
日本酒はこの玄米を精米して「白米」にして仕込みます。
もちろん、秋に収穫した「籾」を翌春に播(ま)いても芽は出でます。
しかしながら、何故お米の種のことをわざわざ「種もみ」というのでしょうか。
それは、種もみは、次のように特別に選抜された「籾(もみ)」達だからです。
まず、私たちは、秋に収穫するときに「どこに田んぼのどの部分を来年の種もみ用に収穫するのか」を決めています。
そして、その「種もみ」用として特別に選ばれて収穫された「もみ(籾)」は、大切に冬の間保管されます。
今の苗作りのシーズン(5月)になると、いよいよ出番となります。
そこで更に次のような工程を経て「種もみ」と呼ばれるようになります。
「ノゲ取り」→「塩水選」→「種もみ」の完成。
(写真)ひげのような籾の一部をノゲ(ノギとも、芒(ぼう)とも呼ばれます)と云いますが、これを切る作業のことをノゲ取りといいます。
(写真)塩水選。塩水に漬けて浮いた籾を取り除き、沈んだままの比重の重いものを選びます。
漫画『夏子の酒』で夏子さんが海水でやっていた作業です。(古い?)
こうして、選び抜かれた「籾」が、「種籾」として次世代のお米になっていくのです。
(ここまでで「種籾」の話は終わりです)
そして、そして、晴れて、本日(5/1)の種もみに付着しているかもしれない、病原菌やウイルスなどを消毒する「温湯消毒」となります。
そして、苗作りへと続きます。