蔵元日記

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2012/08/27

塩麹のつくり方

 最近問合せの多い「塩こうじの作り方」をアップ致します。世の中にはいろいろな方法があるようですが、弊社での作り方です。塩麹は、酒や味噌を造るときと同じで麹菌の持つアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素(エンザイム)の力を活用した調味料です。

ですから、ポイントはよくこの酵素(エンザイム)を働かせることが重要で、決して殺してはいけません。(この酵素は60℃以上になると活性を失い始めてしまいます)。

是非参考にしてみてください。

 米糀から「塩こうじ」を作り、お肉やお魚に塗って(漬けて)焼いたり、お野菜を付ければ簡単に浅漬けができます。

≪作り方≫

★塩分7%の場合 (←オススメです!)

  米こうじ200g、冷ました湯400ml(60℃以下、熱湯は絶対×)、食塩50g

★塩分10%の場合

  米こうじ200g、冷ました湯400ml(60℃以下、熱湯は絶対に×)、食塩65g

それ以外に必要なもの:温度計、計量器、炊飯器、ボール、保存容器、ガラス容器など。

(写真)いづみ橋の塩麹(500gで1,050円)。

お米は山田錦を純米酒並の70%まで精米したもの。

 上記、塩分濃度で2つの作り方がありますが、弊社では「塩分7%」で作っておりますので、その方法で説明します。

(写真)材料。この場合は、米麹500g、冷ましたお湯1000ml(温度55%程度)、食塩125g

では、行きましょう。

≪作り方1≫

・よく手を洗い、清潔にします。(雑菌の混入を防ぐため)

・米麹と食塩を合わせ、よく混ぜます。

・次に(殺菌のため一度沸騰させてから)冷ましたお湯(必ず60℃以下で55℃程度)に食塩を入れる。

(写真)酒屋だけに「お燗メーター」で温度を計ります。実は、麹の酵素を働かせるのに最適な温度は55℃ぐらいなんです。これは、酒造りに欠かせない酵母菌(イースト)を培養するための麹エキス(要は甘酒)を一晩で作るときの温度帯なのです。

≪作り方2≫

 今度は、混ぜ合わせた材料を炊飯器を利用して保温し、酵素を活性化させてお米の旨み・甘みを出していきます。

・まずは、ボールから材料を保存容器へ移します。(最初から保存容器でも良かったのですが、わかりやすくボールを使いました)

・炊飯器に水を適量入れ、「保温ボタン」を押します。そこへ保存容器ごと炊飯器に入れ、2~3時間保温します。(麹の酵素を殺さない為に絶対に61度以上にしない)

・ここでのポイントは、炊飯器のフタを閉じないでください。閉じると中の温度が上がり過ぎて麹の酵素が活性を失ってしまうことがありますので。

・保温のあと、自然に冷めたら冷蔵庫で保存する。

 1週間ほど毎日1回かき混ぜたら出来上がりです。米の粒が柔らかくなり、塩角が取れたら出来上がりです。

 しかしながら、うちでしっかりと3時間保温して作った塩麹の場合は、保温せずに作った場合よりも1週間も早くできるようです。

 是非、お試しくださいませ。

・必ずフタの出来る容器に入れ、冷蔵庫で保存する。使う分だけ容器に取って使用する。

(写真)このような容器に小分けにして冷蔵庫にしまうと清潔でよいと思いますが、洗浄したビンなどは一度熱湯で殺菌してから使うと良いのですが、その場合はくれぐれも火傷には注意してください。

以上です。

≪使い方≫

・お肉やお魚は表面に軽く塗り、冷蔵庫でひと晩ほど寝かせ、塩こうじを洗わずにそのまま焼いて食べる。

・野菜の場合は、漬ける野菜の1割程度の分量の塩こうじにひと晩漬けて食べる。カットした野菜に塩こうじを混ぜるだけでも簡単な浅漬けもできます。

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