蔵元日記

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2019/09/02

9/1 第29回蔵元交流会 総会&研修会を実施しました

(報告的な投稿に付き長文なのでご興味のある方のみへ)

 9/1(日曜日)は、第29回蔵元交流会の総会・研修会でした。

この会は、主に酒蔵と酒販店で作る勉強会であり、今年で29年目です。日本全国から大勢の会員の方にご参加頂きました(感謝)。ちなみに私はこの春から代表幹事を務めることに。
今回のテーマは「令和時代の純米酒の多様性を考える」で、最新の日本酒を取り巻く国内外の動向を見ながら今後を考えよう、という趣旨。
一日限りの研修会なので、中身も多彩に行いました。

 恒例の会員持ち寄りきき酒では、おそらく業界初?「速醸酛」と「生酛系」を分けたきき酒、そして、最近話題の海内外で生産されている日本の法律に縛られていないSAKEもいろいろと多くの方のご協力のもと取り寄せし、きき酒。
講演はまずは、酵母菌の研究の第一人者である酒類総研の赤尾先生から、「酵母のイロハの話とゲノム分析からわかる最新の酵母の話」をお聞きし、酵母の新しい話を。最近では安価にゲノム解析が出来るようになり、酵母についても様々な知見が得られ、また、あちこちで使われ始めて来た蔵付き酵母は、日本醸造協会のK7グループとは違うものもあるとか、興味深い。
2つ目の講演は、昨年まで日本酒造組合中央会の理事だった浜田先生から「最新の海外での日本酒事情」を頂きました。元国税局の鑑定官室長でもあった先生から、製造者視点ではない消費者視点のきき酒への転換の提案の話や最近どんどん増えている海外での日本酒コンテストでの審査の経験談などは参加者にとって示唆に富んだものでした。

その次はパネルディスカッションへ。
まずは、今や「どぶろく」やオーベルジュで超有名な佐々木要太郎さんから、徹底的した地域色や安全性・自然環境回復させる農業や食への取組み、どうろく製造技術の研究発展など迫力のある熱いお話を頂き一同感動。。特に明治時代の密造の禁止以降、「清酒」の発展に対して、久しく途絶えていた「どぶろく製造技術」の再発展の話は目から鱗であり、我々の仕事を「文化的ビジネス」と呼ぶという話も胸に突き刺さりました。
また、計5名でのディスカッションでは、講演では話尽くせない話や海外飲料現場での生きた話など短い時間にたくさんの情報を得ることが出来、パネラーの先生方に感謝申し上げます。
ラストは懇親会。3社の新入会員さん、5名のオブザーバー参加者を加え、楽しい時間でした。皆様ご参加ありがとうございました。(泉橋酒造(株)橋場友一)

最後に蔵元交流会に興味がある蔵元や酒販店さんは是非一方くださいませ。

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