蔵元日記

蔵元日記

2018/09/16

秋とんぼ 楽風舞2018

待ち望んだ収穫を迎えた秋の田んぼ。
秋晴れの中爽やかな風が稲穂の香りを運んでくる。そんな秋は、とんぼの恋の季節。
初夏にヤゴから羽化したとんぼは、秋に番(つがい)となり田圃に可愛い卵を産み生命を繋ぎます。そんな環境で育った酒米から醸された純米酒がひと夏越えて美味しくなりました。
実りの秋に相応しい秋晴れのようなお酒です。


◆秋とんぼ 楽風舞 〜新 醸造用玄米物語〜


祝!2018年春、「楽風舞」は神奈川県の産地品種銘柄に登録されました。
「若水」「山田錦」に次いで3つ目となります。この新品種は、農研機構が「五百万石」と食用米「どんとこい」を親に育種された新しい醸造用玄米でした。泉橋酒造の自社圃場で試験栽培を開始から6年になります。弊社の酒米栽培チーム「さがみ酒米研究会」と共に少しずつ栽培面積を増やしながら栽培技術を向上させ、また少しずつ日本酒へと仕込みながら醸造の特性を掴んで参りました。
この楽風舞は大きな特徴は、お酒にすると透明感のあるクリアな旨み、味わいが生まれ、山田錦や雄町などの余韻の長い味わいとは明らかに違いがあります。
まだ、玄米での芯白の発現率が低いため、逆に精米特性はよくキレイに磨くことができます。更に、栽培上の特性は、早稲系であるため、山田錦と同じ6月の田植えでも、山田錦に比べ2週間早く出穂し、もちろん2週間早く収穫ができます。これは、山田錦の栽培上を減らすことなく、栽培量を増やすことが出来、地元農業への貢献も大きい品種でもあります。
余談ですが、種モミを他県に頼らざるを得ない品種と違い、この楽風舞において、弊社は国と当品種の許諾契約を結んでおり、栽培の普及に関して高い自由度があります。
(参考)http://www.maff.go.jp/kanto/syokuryou/meigara/giziroku/attach/pdf/giziroku-6.pdf

そんな新しい醸造用玄米「楽風舞」のひやおろし「秋とんぼ」です。

ぜひ、よろしくお願いします。

一覧へ戻る