蔵元日記

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2012/05/10

「種もみ」って何?

5/1に「種もみ」の消毒をしました。

 今年の5/1、5/8、5/15は、泉橋酒造ではさがみ酒米研究会の会員農家が集まって「種モミの温湯(おんとう)消毒」をします。

その5/1の写真です。何故、3週間に分けて消毒をするかというと、いろいろとお米の品種があるからです。

 さて、「種籾(たねもみ)」とはお米の種のことなのですが、今回はその話を少しします。(正確な話ではないかもしれませんが、私の経験からの話です。)

 通常、秋に収穫したばかりのお米は、「籾(もみ)」と云います。

「種もみ」とは絶対に言いません。(きっぱり)

 この籾を乾燥させて、籾殻(もみがら)を取り去ったものが「玄米」です。

日本酒はこの玄米を精米して「白米」にして仕込みます。

 

 もちろん、秋に収穫した「籾」を翌春に播(ま)いても芽は出でます。

しかしながら、何故お米の種のことをわざわざ「種もみ」というのでしょうか。

それは、種もみは、次のように特別に選抜された「籾(もみ)」達だからです。

まず、私たちは、秋に収穫するときに「どこに田んぼのどの部分を来年の種もみ用に収穫するのか」を決めています。

そして、その「種もみ」用として特別に選ばれて収穫された「もみ(籾)」は、大切に冬の間保管されます。

今の苗作りのシーズン(5月)になると、いよいよ出番となります。

そこで更に次のような工程を経て「種もみ」と呼ばれるようになります。

「ノゲ取り」→「塩水選」→「種もみ」の完成。

(写真)ひげのような籾の一部をノゲ(ノギとも、芒(ぼう)とも呼ばれます)と云いますが、これを切る作業のことをノゲ取りといいます。

(写真)塩水選。塩水に漬けて浮いた籾を取り除き、沈んだままの比重の重いものを選びます。

漫画『夏子の酒』で夏子さんが海水でやっていた作業です。(古い?)

こうして、選び抜かれた「籾」が、「種籾」として次世代のお米になっていくのです。

(ここまでで「種籾」の話は終わりです)

そして、そして、晴れて、本日(5/1)の種もみに付着しているかもしれない、病原菌やウイルスなどを消毒する「温湯消毒」となります。

そして、苗作りへと続きます。

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